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円グラフを使ってはいけない3つの理由。代わりに棒グラフを使おう

データ分析・統計・数学
この記事は約5分で読めます。

割合を表すときは「円グラフ」を使って…

と、何も考えずに円グラフを使ってしまっていませんか。

もちろん円グラフにも強みはありますが、デメリットの方が大きいのが事実です。実際、科学の世界では円グラフはほとんど用いられず、棒(帯)グラフをつかって割合が表されるのが普通です。

本記事では、そんな円グラフの3つのデメリットを紹介していきます。

  • 割合の比較がしづらい
  • 項目数が増えるほど見にくくなる
  • 絶対的な量を表現しづらい

ちなみに記事の最後には、円グラフが力を発揮する場面についても少し解説しているのでぜひ最後までご覧ください!

1.円グラフでは割合を比較しにくい

1つ目のデメリットは、比べにくいという点です。円グラフにおいて「比べる」ということは意外と難しいです。これを実感してもらうために、下の具体例を見てください。

上図のように、4社のシェア率の年推移が円グラフで表された場合を考えてみましょう。

ではこの円グラフを見て、

「B社(オレンジ色)のシェア率は3年間でどういう変化をしたのか」

をすぐに理解することはできますか?すぐに理解できたのなら、あなたは特殊な能力をお持ちでしょう。

私たちが円グラフどうしを比べるとき、主に「面積」「中心角」を比べます。しかし人間は、面積や角度といった数量の微妙な違いを認識するのが比較的苦手です。

上の図でいうと、B社(オレンジ色)のおうぎ形中心角の変化は「およそ20°」です(B社は30%→36%→30%と推移している)。しかしこの「20°の差」を見分けることは、図を見てわかるとおり意外と難しいです。

ではどうすればいいのか、というと棒グラフを使えばよいです。

これは、棒グラフの中でも「100%積み上げ棒グラフ」などと呼ばれるものです。

棒グラフなら、面積や中心角ではなく「長さ」で比較することができるので、わりと分かりやすく数量を把握することができます。

さらに、3つの棒グラフの間に引っ張られた補助線を見ることで、それぞれの会社のシェア率が増えたのか減ったのかを明確に判断することができます。

2.項目数が多いと見づらい

2つ目のデメリットは、項目数が増えるほど見づらくなるということです。

これも具体的な例で見てみましょう。

これは9つの地域ごとの割合を円グラフに表したものですが、かなり分かりにくいですよね。しかも、どれも似通った大きさをしているので (数字が書き込まれているとはいえ)、比較もしづらいです。

しかし、これを棒グラフにするとかなりすっきりします。

棒グラフであれば、項目数が増えても見やすさにはあまり影響を及ぼしません。さらに、微妙な数の大小も把握しやすいですよね。

3.円グラフでは絶対量が表現できない

上の円グラフを見てください。これはA塾(架空)の合格者の割合の推移を示したものです。

パっと見た感じでは、難関大に合格する生徒が2019年から2020年で大きく増えたような感じがしますよね。実際に、割合は増えています。

しかし問題なのは「全体の数(母数)」が書かれていないということです。つまり「割合としては良い結果になっているが、絶対的な数の推移はわからない」ということです。

しかし、

それなら、全体の数を書き足せばいいじゃないか?

と思う人もいるかもかしれませんね。例えば下図のように、合格者数を書き足すことが考えられます。

これならまだマシですが、この「600名」とか「170名」といった数を視覚的に表せているわけではありません。数字が単なる文字情報として与えられただけです。

じゃあ、600名とか170名っていう数量を円グラフの大きさで表せばいいのでは?

と考えた人もいるかもしれません。全体の数を円グラフの面積で表現したものが下図です。

これで全体の数も視覚的に表現できたわけですが、ここにも問題があります。

先ほどの「1.円グラフでは割合を比較しにくい」で説明したように、人間は「長さ」などよりも「面積」を認知するのが苦手な生き物です。なので、円の面積で全体の数を表したとしてもそれが直感的に伝わるとは限りません。

そこで活躍してくれるのが、やはり棒グラフです。

これなら全体の数がどれだけ変化したのかをより正確にとらえることができますよね。

円グラフが活躍する例もある!

ここまで円グラフのデメリットについて紹介してきました。しかし、円グラフが活躍する場面もあります。

それは「”全体に対してどれくらいか”が分かりやすい」ということです。

どういうことか、先ほど挙げた例で説明します。

例えば2019年(左の円グラフ)をみると、

東大・京大と旧帝大を合わせたものは、全体の半分やな。

と、数字を見なくとも瞬時に判断できます。しかし、棒グラフだとそう簡単には判断できないでしょう。

このように、

「全体の半分を占めている」
「全体の4分の1が○○である」

など、”全体と比べる”ことを必要するときには円グラフが力を発揮してくれます

まとめ

本記事の内容をまとめると、

円グラフの主なデメリット3つは

  • 割合の比較がしづらい
  • 項目数が増えるほど見にくくなる
  • 絶対的な量を表現しづらい

でした。一方で、円グラフが活躍する場面もあり、

”全体のうち○○を占めている”ことを表したい

というときには円グラフが有用だ、ということでしたね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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