マインドマップとは、頭の中の思考を可視化するためのノート術の一つです。
書き方はとてもシンプル。
中央にメインテーマを置き、そのテーマから連想される情報やアイデアを線でつないでゆきながら枝分かれさせ、放射状に展開していきます。
というわけで本記事では、
・マインドマップにはどんな効果があるのか?
・マインドマップを書くコツは?
というテーマで説明していきます。
マインドマップの効果
まずは、マインドマップが果たす役割や効果について説明します。
記憶定着
ロンドンの大学に所属する50人の医学部生・歯学部生を対象に行われた実験では、マインドマップを使った学習を行っただけで、自己流の勉強を行った場合に比べて、1週間後のテストの正答率が15パーセントポイント高くなりました。
マインドマップは、情報と情報を結びつけながら書いていきます。人間の脳は、何かと関連させて覚えると記憶に定着しやすくなるため、この書き方が記憶力向上に役立っていると考えられます。
また、私たちは物事を覚えるときに場所と関連づけることがあります。
例えば、

あの情報は、この辺のページに書いてあったはず…!
といったふうに「だいたいこの辺にあったはず」という情報と一緒に記憶されます。
マインドマップは、情報どうしのつながりや位置関係を意識したものになっており、この構造も記憶定着に役立っているのかもしれません。
ワーキングメモリーの負荷を減らす
ワーキングメモリーは脳機能の一部で、情報を一時的に記憶しておくことで普段の行動や判断に大きな影響を与えます。
特に、ワーキングメモリーは何かを思考したりアウトプットする上では非常に重要な役割を果たします。
しかしワーキングメモリーは一度に5~9つの情報しか保持することができないため、あまり情報を詰め込みすぎるとうまく脳が動いてくれなくなります。
そこで脳内の情報をマインドマップへ吐き出してやることで、ワーキングメモリーの容量が解放されて、ワーキングメモリーをフルに活用することができるようになります。
このように、頭の中で複雑に絡み合った情報をマインドマップに書き出せば、インプットされた情報が整理され、アウトプットをしやすくなるという効果が期待できるでしょう。
復習しやすい

パッと見てすぐわかる!
マインドマップは情報がまとまっているおかげで、ひと目で理解することができます。
そのため、文字だらけのノートよりも復習のハードルがグッと低くなります。
マインドマップは、文字情報よりも視覚情報に重きを置いた手法なので、いかに「パッと見てすぐ分かるマインドマップを書くか」が大事です。
そんなわけで次の章では、マインドマップを書く際のポイントについて解説します。
書き方のポイント
ひと目でわかる工夫
色分けする
色分けをすると、黒ペン一色で書いたときよりも情報の表現の幅が広がります。
例えば、色を使うことで「コレとコレは同じグループだ」などと一瞬で判断することができます。
同じカテゴリには同じ色を使う、というふうに自分でルールを決めておくとよいでしょう。
ただし、色を使いすぎると情報量が多くなり、かえって見にくくなるので4色ぐらいに抑えておきます。
絵・アイコンを使う
絵やアイコンを描いてみるのもひとつの手です。
単語を見るよりもイメージ図を見た方が、頭にスッと入ってくるのは直感的に分かると思います。
簡単なイラストを描いておけばよく、時間をかけて凝った絵を描く必要はありません。マインドマップの目的は、あくまで情報を整理することだということを忘れないようにしましょう。
情報のつなげかた
矢印でつなぐ
マインドマップは「情報と情報をつなげる」ことが中心ですが、単につなげるだけでは不十分です。
因果関係や関連性などを表す矢印を書き入れると、より効果的になります。
情報どうしのつながりだけではなく、全体的な流れが見えるようなマインドマップになるととても見やすくなります。
文字の大きさ
これはちょっとした工夫ですが、中心から端になるにつれて文字を小さくかいてみてください。
すると、思考の根幹となる基本アイデアが大きな文字で書かれ、深掘りされた細かな項目は小さな文字になります。
マインドマップは放射状に書くというのが基本なので、情報の重要度を文字の大きさで表現してみるのが良いと思います。
アイデアをたくさん出すコツ
最後に、

アイデアが全然出ない…
とならないようにするためのポイントについて解説します。
単語で書く
マインドマップには、文ではなく単語を書くように心がけましょう。
単語で書いた方が、いろいろな方向へ思考が発散しやすいからです。
文で書いてしまうと、条件が狭くなってしまい思考が滞ってしまいます。
クリエイティブなアイデアは突拍子もない考えから生まれてくるものなので、できるだけ連想しやすくなるような書き方を心がけてみると良いでしょう。
質問形式で書く
自分自身に問いかけるつもりでマインドマップを書くのもひとつの手です。
人間は何か疑問があると、無意識にそれに対する答えを探そうとします。
この習性を活かして「それはどうやって?」「なぜ?」のように質問形式で書き込んでいけば、自然と作業は進んでいくはずです。
5W1H(When, Where, Who, What, Why, How)を念頭に置いて質問を投げかけてみると分かりやすいかもしれませんね。
最後に
今回は、マインドマップの効果と書き方のポイントについてまとめました。
マインドマップの他にも、世の中には実に多くのノート術が存在するので、いろいろ試してみてしっくりくるものを見つけてくださいね!
Liu, Y., Zhao, G., Ma, G., & Bo, Y. (2014). The effect of mind mapping on teaching and learning: A meta-analysis. Standard Journal of Education and Essay, 2(1), 17-31.
Farrand, P., Hussain, F., & Hennessy, E. (2002). The efficacy of the ‘mind map’ study technique. Medical education, 36(5), 426-431.
The Perfect Mindmap: 6 Step Checklist
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