数学で「陰関数」「陽関数」って言葉出てきたけど、どっちがどっちかわかんなくなる…。
そもそもなんで陰・陽なの??
今回は、高校数学で登場する「陰関数」「陽関数」の名前の由来について解説していきます!
定義を確認しよう
陽関数
\(f(x)\)が陽関数であるとは、\(f\)の定義式が\(f\)について解けている(つまり\(f(x)=\cdots\)の形で書けている)ことをいいます。
例
- \(f(x)=x^2+1\)
- \(g(x)=\sin x\)
- \(h(x)=\sqrt{1 – x^2}\)
陰関数
陰関数は、陽関数とは逆に\(f\)について解けてない(つまり\(f(x)=\cdots\)の形で書けていない)関数です。
難しく言うと、多変数関数\(F(x_1,\cdots ,x_n)\)の方程式
$$F(x_1,\cdots ,x_n)=0$$
によって、\(x_i\)(\(i\)は\(1,\cdots,n\)のいずれか)の値が定義されるような関数です。
例(上の陽関数で挙げた例を陰関数表示した例)
- \(x^2 – f(x) + 1 =0\)
- \(x = \arcsin g(x)\)
- \(x^2 + \{h(x)\}^2 = 1\)
陰関数・陽関数の名前の由来はズバリ…
定義から、
\(f(x)\)が「\(x^2 + \{f(x)\}^2=1\)」のように陰(かげ)に隠れて\(f(x)\)の正体がはっきりしない形なら、陰関数
\(f(x)\)が「\(f(x)=\sqrt{1-x^2}\)」のように\(f(x)\)の正体が(太陽にあたったように)はっきりしているなら、陽関数
とわかります。
「太陽にあたったように」と無理矢理ねじ込んだ感がありますが、実際のところは、陽関数は陰関数の対になるものとして名付けられたようです。
「陰」の反対語といえば「陽」でしょ!
みたいに、陰陽道的な感じで…。
ところで、陰関数・陽関数は英語で「implicit function」「explicit function」といいます。
意味はそれぞれ、
implicit 「暗黙的な,間接的な」
explicit 「明示的な,直接的な」
となっています。
この英語名を踏まえて日本人は「implicit function」を陰関数と訳しました(古くは陰伏関数と訳されていたそう)。
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