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【名前の由来】なぜ導関数は「導」なのか?

データ分析・統計・数学
この記事は約4分で読めます。

そういえば導関数ってなんで「導」の字が使われてるんだろう?

「導関数」は数学の微分積分で登場する関数です。

本記事では、この「導関数」の名前の由来について解説します。

導関数の定義は?

関数\(f(x)\)の導関数は、

$$f'(x):=\lim_{h \to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}$$

と定義されます。

「導関数」は「derivative」の訳語

導関数は英語で「derivative」といいます。
微分積分は外国で発明された考え方*なので「導関数」は「derivative」の訳語です。

derivativeを辞書で引くと次のような意味が出てきました。

derivative
(形)
派生した、派生的な
(名)
1.派生物
2.金融派生商品、デリバティブ
3.《言語学》派生語
4.《化学》誘導体
5.《数学》導関数、微分係数

「derivativeの意味・使い方・読み方」英辞郎
https://eow.alc.co.jp/search?q=derivative(2022-07-29最終アクセス)

この「派生」というニュアンスから「導」の漢字が採用されたようです。

確かに、元の関数\(f(x)\)から導かれる(誘導される)関数だから、と考えれば納得いきますね。

*微分積分の概念はイギリスの科学者であるアイザック・ニュートン(Isaac Newton, 1642-1727)によって発明されました。

じゃあ「derivative」はどこから来た?

結論から言うと、次のようになります。

導関数は変化量を表す

水が流れるように変化するよねー
➡「Fluxion」

f'(x)は、水の流れ(=f(x))から”離脱”(枝分かれ)してできる

ラテン語で脱却・否定を意味する接頭辞「de」+「rīvus(=小川)」

英語で「derive」

微分積分を考案したニュートンは、導関数のことを「Fluxion」(流れ)と名付けていたようです。

なぜ「流れ」なのかは、導関数の意味を考えてみるとわかります。

導関数の定義から、\(f’\)は平均変化率の極限値です。つまり導関数は「流れるように変化する量」を表していると考えることができますよね。

だから導関数のことを「Fluxion」(流れ)と呼んだのだそうです。

微分積分の研究が進んでいくと、「変化量」というよりは「関数」として導関数を見てみようということに研究の関心が移りました。

つまり

f'(x)は変化量…。
← f(x)のことはあまり考えてない

と考えるよりも、

f'(x)はf(x)から作られる関数だから…。

と考えるほうがいろいろな数学的知見が得られることに気づいたのです。

そこで f'(x) を「もとの水の流れ f(x) から離脱して派生したもの」と考えて

de + rīvus
(脱却を意味する接頭辞) + (小川、水の流れ)

という語源であるラテン語の動詞「dērīvāre」が導関数の名前として使われるようになったようです。

英語の多くはラテン語出身なので、英語では「derive」となったわけです。

ちなみに、「derive」的な用語を最初に使い始めたのは、フランスの数学者ラグランジュ(Lagrange, 1736-1813)だそうです。

参考サイト

解説は以下のサイトの情報をもとに作成しました。万一、事実誤認・英語の解釈誤りなどありましたらコメントいただけると幸いです。

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