
模試のための勉強って必要?
こういった疑問を持つ受験生は多いです。
というわけで、今回はこの疑問について考えてみようと思います。
結論は「模試の点数を取るためだけの勉強は不要、それより大事なのは模試のフィードバック」です。
「模試の振り返りと軌道修正」の具体例も少しだけ紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください!
「模試の点数を取る努力」は不要
結論、「模試のための勉強」は不要です。
受験生の本当の目標は「入試本番で点数を取ること」であって「模試で点数を取ること」ではないからです。
しかし、次のように反論する人がいるかもしれません。

でも、模試の点数を取ろうとすることは、入試の点数UPにもつながるはずだ!
確かにそうです。
しかし、わざわざ「模試の点数を取ろうと努力→入試の点数UP」などしなくても直接「入試の点数を取ろうと努力→入試の点数UP」とするほうが自然かつ効率的です。
それでもまた、このように反論する受験生もいるかもしれません。

「入試の点数を取る努力」とはいえ、先が見通しづらくてやりにくい。結局、「模試の点数を取る努力」をした方が効率的では?
そう、模試を橋渡しにして第一志望合格につなげようとする考え方は正しいです。
しかしながら、「模試の点数を取る努力」をするよりも「模試の結果をもとにして、入試の点数を上げる努力」をするほうが賢い選択であると考えられます。
つまり模試は、点数を取りにいくのではなく、普段の勉強のフィードバックを得るためだと捉えるべきなのです。
模試の振り返りの具体例
先ほどは、模試の結果をもとにして入試の点数を上げる努力をすることが大事だという事を言いました。
そこで

じゃあ、具体的にはどうやって模試を活用すべき?
という疑問が出てくると思います。
ざっくり言うと下のように考えればよいです。
- テストで間違えた問題を探す
- 原因は何かと考える
- その原因をつぶすための具体的な方法を考える
しかし、これだけではイメージがわきにくいと思うので、具体例をいくつか挙げておきたいと思います。
✓最初の基本的な問題で点を落としている
↓
基本問題は量をこなしていれば
解けるようになるはずだ
↓
確かに、この分野の勉強は後回しにしていた
↓
基本レベルの問題を重点的に解いてみよう
✓問題集でやったのに解けなかった
↓
頭に定着していなかったからだ
↓
新しいものばかりに手を付けていて、
復習していなかった
↓
新しい問題集に手を付けるのは一旦やめよう
↓
この一週間は先週の復習に費やそう
✓方向性はわかったのに具体的な計算ができなかった
↓
計算力が足りてないからだろう
↓
演習を積んでいれば、
「この式は因数分解しよう」
と思いつけたはず
↓
自分で思いつけなかった式変形は、
パターンとして頭に入れておこう
✓見たことがない問題だったから手を付けられなかった
↓
演習の量がまだ足りていないのかもしれない
↓
「この形を見たら、これを試してみる」
という発想の引き出しを増やす練習も必要かな
↓
問題演習の量を増やし、
「どの分野の問題かがわからない状態」
で勉強してみよう
✓いつもなら解けた問題を、模試のときに解けなかった
↓
知識を取り出す訓練が足りないのだろう
↓
問題をランダムな順番で解く練習を
やってみると良いのではないか
↓
週に1回、テスト形式で問題を作り、
時間制限もつけて演習する習慣を付けよう
…といった具合です。
ここで挙げた例はあくまで参考です。大事なのは、あなた自身が抱えている課題を1つずつ解決することだということを忘れないでください。
最後に

今回は、模試の点数を取るためだけの勉強ではなく「フィードバック(振り返りと修正)」が重要だという話をしました。
フィードバックなしに、やみくもに勉強をし続けても無駄です。
その理由は、矢を的の真ん中に当てる練習場面を想像するとよく分かります。
ふつうは、1回1回集中し的の中心に近づくように少しずつ角度や高さを調整していきますよね。
しかし全く同じ練習を暗闇の中でやったとしたらどうなるでしょうか?どんなに練習を積み重ねたとしても決して上達することはありません。なぜなら、矢がどこへ飛んで行ったかわからないため改善のしようがないからです。
このように、自分の勉強方針を改善するようなデータがなければ、「次はここの勉強を重点的にやったほうが良い」「今度はこの分野を固めよう」といったことは不可能です。
「暗闇の中で意味のない練習をやり続ける」のか、それとも「1回1回フィードバックを得ながら着実に練習を重ねる」のか。それがあなたの望む結果を出せるか否かを決めていくのではないかと思います。

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